一生美容に恋する

ひと雫の情熱 7

“捉え方”
“考え方”

を教育するというものであった。

そして、またその教育に対して自問自答の日々が続いてゆく。

(“ひと雫の情熱 6話”続き)

それなりの実績は積み重ねてきた。
ただ、それは必ずしも自身の理想とする到達点ではなく、
多くの事柄に対して葛藤の日々が続く。

すぐ傍にいるものが救えない。
きっと、全てを救うことなど理想論なのかも知れないが。
それが出来ると信じる自分自身もいる。

“本質、正義、いったい正解とは何なのか”

いつからか、そんなことを考えるようになった。

どこかの宗教に属しているわけではないが、いくつか宗教の本も読んだ。

哲学書も読んだ。

結局、そこに答えはなかったけれど。

遥か上空から下界を見るわけでもなく、かといって現実世界だけに身をおいても
救いと解答はない。

ふと、割と繊細なのだなと気づく…。

まっすぐを貫けば貫くほどに孤独は深まってゆく。

身体的にも少々影響が出はじめた。

神様も酷なことをするなと感じたものだが、美容師から髪の毛を
奪ってくれた。

部分的にではあるが。

(いつか、頑張っていると言う自身の限界枠の中で迷い悩む人たちに
伝える材料として、そんな精神状態の中でもその画像を残しておいたのだから、
精神的に強いのか弱いのか、もはやわからない)

きっと試練の時期だったのかと思うが、この時期、心の支えとしていたものが
次々と立て続けに音を立て崩れていった。

夜な夜な自宅の動物に話しかける。
ゲージの中、くるくると回る回し車をぼーっと眺めながら。

楽しいか?

と。

三大欲求のまま純粋に生きるこの動物の生き方こそ真実なのではないのか…と。

今おもえば、かなり不味い状況だったのかも知れない。

この時はじめて、動こうと思っているのに動けないという経験をする。

心の状態に身体が完全に合致した。

そして、がむしゃらに進んできた過去が、更に己を傷つける。

止まっていていいのか?

自分自身と、それを支えた人たちに嘘をつくのか?

と。

ある仲間の人物は、

“何もしないという動き”

と、それを表現して励ましてくれたが、そういった仲間の声さえも
心の奥まで響いてくることはなかった。

そんな中、ある種の答をくれたのが

色即是空
(色これ即ち空なり)
空即是色
(空これ即ち色なり)
※色=物質・現象 空=恒常的な実態がない

わずか262文字の

“空という思想”

この世のすべてのものは恒常な実態はなく縁起によって存在する。

“とらわれるな”

と言われている気がして、すぅーと心が穏やかになった。

私のなかで、宗教と哲学の間に位置する空の思想、般若心経。

今現在も心の拠り所となっているこの思想だが、この262文字と
出会ったのちの、ある人物からの電話が完全に私の心を救うことになる。

人生とは不思議なものだ。

諦めなければ必ず道は開ける。

言うまでもないが、この時、私の心を救ったのも、

愛すべき美容業界の尊敬する人物であった。

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