一生美容に恋する

ひと雫の情熱 5

(“ひと雫の情熱 4”続き)

 

エンドレスループが生み出したものは、学生や本校に、そして、今思えば業界にとっても実に大きなものであった。

このループは、勝利から勝利を、そして、それぞれの可能性を引き出すことも連鎖させたが、最大の効果を発揮したのは

 

“人と人との繋がり”

 

が作り上げられていった事であった。

この頃からだったと思う…

 

“BUZZ”

 

が発生し始めたのは。

足利デザインは…足利デザインが…と、地元だけに留まらず、各メーカー、美容ディーラー、そして、美容室で噂が広がり一人歩きするようになる。

そして、そんなある日、本校で行われた求人説明会で、衝撃的な言葉を耳にする。

 

“こういった先生が、これからの業界に羽ばたく子供達にとって必要になる”
“良く覚えておきなさい”

 

これは、あるサロンオーナーから幹部へ向けられた言葉。

 

まだ、なんの結果も残せていない私に対しての言葉に、恐縮して縮こまったのを今でも良く覚えている。

そして、続けて幹部スタッフが言う。

 

“海老原先生、今日、私は求人説明会に来たのではありません”

“熱い先生が居るとお聞きして確かめに来ました”

“そんな先生が、本当に居るのかと”

 

美容業界は、素直で真っ直ぐな方が多い。

改めて、そう感じた。

 

そんな求人説明会で、私が起こした突拍子も無い行動。

それは、求人説明会後に行なった、業界に対しての警告。

業界の怠慢を払拭するために、学生と共に行なった度肝を抜くプレゼンテーション。

これについては、未だに各企業の代表から

 

“あの時、業界に喧嘩売ったよね。だけど、あれで目が覚めたよ”
“学生達があれだけ頑張っているのに、俺ら胡座かいてたら駄目だって”

 

と言われる。

 

当時(確か10年ほど前?)、いま考えれば生意気だったと思うが、大好きな美容業界の5年後を危惧していた。

美容業界は今ほどの危機感は持っておらず、企業だけでなく学校関係者までが胡座をかいていた時代。

一部の方達を除いては、確実に目の前しか見えていなかったように感じる。

教育レベルの低下。

価格破壊によるお客様へのサービス低下。

美容業の価値低下。

本質を忘れた多くの企業。

それに伴う、美容希望者の減少。

 

ゆくゆくは、業界関係者同士が手を取り合い、解決を図る必要のある業界全体を揺るがすような問題が、すぐそこまで来ているように感じていた。

ただ、やはり大好きなこの業界の人たちは、そのまま立ち止まってなどいなかった。

小さな事を積み重ねる人、大きなうねりを発生させる人。

それぞれ方法は違っていたが、そのどれもが想像していた通りの、そして、

この業界に憧れを抱くきっかけともなった

 

“創造力、実行力、繋がり、熱伝播、愛”

 

の強さを感じさせるものであった。

 

斯くして、美容業界が動き出すのだが、その動きが、まさか私まで含んだ動きになろうとは、この時、微塵も想像していなかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です